TRD Rally Cup by JBL 2022 rd.4 -第37回シロキヤラリー in 豊根・豊田[INABU]-


 10月1日〜2日、愛知県北設楽郡豊根村・豊田市稲武町を舞台として第37回シロキヤラリー in 豊根・豊田[INABU]が行われた。8月20日~21日に開催を予定していたTRD Rally Cup by JBL Rd.3として予定していた「横手ラリー 2022」が残念ながら中止となったため、丸2ヶ月ぶりの開催となった。2022年 JAF中部・近畿ラリー選手権 第5戦、2022年 JMRC中部ラリーチャンピオンシリーズ 第5戦 、2022年 JMRC中部ラリーチャレンジシリーズ 第2戦として開催された本戦にTRD Rally Cup by JBL 2020 Rd.4を編入しての開催となる。愛知県豊田市の道の駅「道の駅 どんぐりの里いなぶ」近くの、どんぐり工房にHQを設定する本戦は、約30km離れた愛知県北設楽郡豊根村の茶臼山高原をスタート地点として開催される。コース全長は総走行距離約183km/SS距離約約28kmの行程。本戦には残念ながらCUP-2への参戦車両は無く、ヴィッツのCUP-1のみの出走となった。

 2020年もTRD Rally Cup by JBLのラウンドとして開催予定だったシロキヤラリー in 豊根・豊田だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となっていた。プレシーズンとなる2018年シリーズでは開催されたが、今回は新たなステージとして設定するコースでのラリーとなる。

 今回設定されたSSコースは3本。それらのSSをループし、計8つのSSで争われることとなる。豊根村エリアのKanokoは本戦最長となる4.78kmのコース。スタートから左右に細かいコーナーが繰り返すセクションとなる。他ステージが3ループ走るのに対して、Kanokoは2回のみの走行となるうえに、距離も長いことから勝負の決め手となるSSとなるだろう。豊田市側のSSとなるOoidaira(3.69km)とUshiroyama(2.35km)は、狭くアップダウンを繰り返すコースレイアウトとなる。さらに、路面に濃く残る苔がマシンのコントロールを奪う難しいコンディションとなった。


 


 週末は秋晴れの天候となったが、午前のセクションは視界を遮られるほどの強い日差しがドライバーを襲うこととなった。路面は基本ドライだが、山からの湧き水が流れ出る箇所やダスティな路面も多く、路面状況の変化に神経を尖らせる必要がある。

 本大会、第37回シロキヤラリー in 豊根・豊田[INABU]には39台のラリーカーがエントリー。中には往年の名車であるスーパーカー「フェラーリ308GTB」の姿もあり、ラリージャパン開催を一ヶ月前に控えラリー熱が高まる地元の方々から熱い視線と声援が送られていた。

TRD Rally Cup by JBL 2022 rd2 -第37回シロキヤラリー in 豊根・豊田[INABU]- エントリーリスト
当日の豊根村・稲武町付近の天気

CUP-1

 ヴィッツ限定のCUP-1クラスには2台がエントリー。今シリーズ全戦参戦中の塩田 卓史が前戦欠場となった中根 達也とともに参戦。「今シリーズポイントリーダーですけど、まだチャンピオン確定ではないので気合い入れて走ります!でも、もう今回決めちゃいたいですね!」と塩田。
 昨シーズン、ポイントランキング4位となった小出 辰彦・松本 芳幸は今年初の参戦となる。「本来であれば横手ラリーに参戦する予定だったんですけど、中止になってしまったので2022年シーズンに出遅れてしまいました。でも、今日の結果次第ではまだシリーズチャンピオンのチャンスがあるようなので、塩田さんの邪魔できるように頑張ります」と冗談っぽく語った。

  SS1はHQとなる稲武町から移動し豊根村の茶臼山からのスタートとなるが、そのTC1から波乱が起こる。地区戦参戦選手が立て続けに遅着でペナルティ処分となってしまったが、塩田・中根組が遅着で70秒、小出・松本組が早着で60秒のペナルティ。それぞれ大きなビハインドを背負ってのスタートとなってしまった。

 セクション1は3本のSSを一本ずつ走ることとなるが、その3本とも小出・松本組が勝ち取ることとなった。しかし、塩田も調子を上げていき、タイム差は徐々に狭まっていく。5本のSSが設定されるセクション2は、豊根エリアで1本、豊田エリアで4本のSS走行となる。前半セクションで遅れを取ってしまった塩田・中根組だが、SS5で小出・松本組に1秒差で先行することに成功する。このままの流れに乗りたい塩田だったが、SS6での先行車のトラブルにより、同一タイム対応となってしまう。出鼻を挫かれてしまった塩田は続くSS7で再び先行されたものの、SS8では名誉挽回の走りを見せ、約6秒差でフィニッシュすることとなった。しかし前半セクションで開けられた差を埋めるには至らず、小出・松本組が逃げ切っての勝利となった。

 

 勝者の小出は 「今年初めてのラリー参戦でどうなるかと思いましたが、無事走りきれてよかったです。じりじりと塩田さんが迫ってきましたが、前半セクションで稼いだマージンを使ってなんとか勝てた感じですね。ただ、車内の時計がズレてるに気づかなくて、TC1では早着の大チョンボしてしまいました。塩田さんもペナルティだったから救われましたけど、気をつけなきゃですね…マシンは特に去年から大きくは変えてないんですけど、フィーリングは良かったです。最終戦、まだチャンピオンのチャンスがあるみたいなので、狙ってみましょうか!」と笑顔で語った。

 2位の塩田は「先週参戦したラリー後にマシンの仕様を本戦用に変更したんですけど、マシンもドライバーも、仕様に馴染むまで時間かかってしまいました。午前セクションはそれもあって抑え気味の走りになってしまったかな、と反省してます。午後は調子上がってきたのでSSポイント奪取できたのでよかったです。キャンセルになったロングステージ(SS6)は自信あったので残念でしたね。朝イチの遅着ペナルティもですが、徐々に調子を上げていくのではなく、朝イチから高いパフォーマンスを発揮できるようにしなきゃいけませんね」と気持ちを引き締めていた。

 



 2022年シリーズも、世界最大級オーディオメーカーで、家庭用オーディオ、ホームシアター、車載用などの民生機器から、世界中の映画館、スタジアム、レコーディングスタジオなどを対象とした業務用機器をラインナップするJBL(ハーマンインターナショナル株式会社、東京都台東区)からパートナーシップを受け、優勝クルーにはJBL製Gaming用ヘッドホン“Quantum 800”が賞品として贈呈された。


 最終戦となる次戦は10月22日に長野県茅野市で開催される第41回 八子ヶ峰ラリー2022。本来であれば土日2DAYでの開催を予定していたが、新型コロナ対策として土曜1DAYでの開催となる。2022年シリーズチャンピオン決定戦となる最終戦の行方に注目したい。




第37回シロキヤラリー in 豊根・豊田[INABU] 正式結果

TRD Rally Cup by JBL 2022 シリーズポイントランキング

※イベントレポートという性質上、文中では敬称を略して表現しております。



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